歯医者が教える!臭いがつきにくいマウスピース素材の選び方

口腔内に長時間入れて使用するマウスピース。ナイトガードや歯ぎしり防止、スポーツ時の保護、矯正など、目的はさまざまですが、どれも直接「口」に関わるため、衛生面への意識は欠かせません。
しかし最近、「マウスピースから嫌な臭いがする」「こまめに洗っているのに臭いがとれない」といった悩みをよく耳にします。
この問題、実は素材の選び方ひとつで大きく改善できるのをご存じでしょうか?
本記事では、歯科医の立場から、臭いがつきにくく衛生的に使えるマウスピース素材をわかりやすく解説。さらに、外出時や旅行中にも清潔を保てるケア方法まで紹介します。快適に長く使いたい方は、ぜひ参考にしてください。

毎日使うマウスピース、ふとした瞬間に「なんだか臭うかも…」と感じたことはありませんか?
就寝時のナイトガード、歯ぎしり対策、スポーツ用、あるいは矯正目的など、用途はさまざまですが、口に入れるものだからこそ清潔を保ちたいのが本音。
にもかかわらず、「しっかり洗っているのに臭いが取れない」「使い続けるうちに嫌な臭いがしてきた」など、実は多くの方が同じ悩みを抱えています。
その原因のひとつが、マウスピースに使われている“素材”にあることをご存じでしょうか?
実は、選ぶ素材によって臭いのつきやすさは大きく変わるのです。
本記事では、歯科の現場でも採用されている視点から、臭いがつきにくいマウスピース素材の選び方をわかりやすく解説します。
さらに、外出や旅行中でも安心して使えるポイントもご紹介。
清潔で快適なマウスピースライフを手に入れたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

まず最初に、「そもそもなぜマウスピースが臭くなるのか?」を知っておきましょう。原因は主に以下の3つです。

マウスピースに使われているプラスチックやシリコンは、経年劣化とともに微細な傷やひび割れができやすく、そこに汚れや細菌が入り込むことで臭いの元になります。

使用後にしっかり洗わなかったり、湿ったままケースにしまうと、雑菌が繁殖してイヤな臭いを発生させます。

素材自体が水分を吸いやすかったり通気性が悪いと、臭いがこもりやすくなってしまいます。

では、どんな素材を選べば臭いがつきにくく、衛生的に使えるのでしょうか?歯科医の視点から、おすすめ素材を3つ紹介します。

歯科医院でよく使われるマウスピースの主流素材。軽くて弾力があり、臭いが付きにくいのが特徴です。吸水性が低く、長期間使用しても臭いや変色が起こりにくいため、矯正用・ナイトガードなどでも広く使われています。

やや硬めの素材で、耐久性と衛生性に優れた高品質素材。水分を通しにくく、表面も滑らかなので汚れがつきにくい。やや価格は上がりますが、清潔さを重視したい方にぴったりです。

弾力性と耐久性に優れており、雑菌が繁殖しにくい構造を持つ素材。近年では市販のスポーツ用や矯正用マウスピースにも多く使われています。快適な装着感と臭い対策のバランスを取りたい方におすすめです。

中には臭いがつきやすい素材もあるので注意が必要です。

  • 安価なPVC(塩化ビニル):吸水性が高く、傷がつきやすいため雑菌の温床に。
  • 着色・香料付き素材:見た目や香りでごまかしても、長期間使用すると逆に劣化や臭いがひどくなることも。

衛生面を考えると、透明でシンプルな無添加素材がベストです。

マウスピースを清潔に保つには、素材選びに加えて日々のケアも大切です。以下の習慣を取り入れましょう。

歯磨きと同じタイミングでやさしくブラッシング洗浄。お湯はNG!変形の原因になります。

濡れたままの保管はカビや臭いの原因。しっかり水気を拭き取り、風通しの良い場所で乾燥させてから保管しましょう。

専用のマウスピース用洗浄剤や除菌スプレーを週に数回使うことで、臭いや菌のリスクを軽減できます。

外出時や旅行中など、いつものように洗浄できない場面では、以下のグッズが便利です。

  • 除菌シート/スプレー:サッと拭くだけで簡易的な清潔対策に。
  • 通気性のある携帯ケース:湿気を逃して臭いを防ぐ設計。
  • 予備のマウスピース:長期旅行時には予備を持っておくと安心。

「外出先でも臭いが気になる…」という方は、軽くて洗いやすい素材を優先して選びましょう。

マウスピースの臭い対策は、正しい素材選びと日々のケアの積み重ねがカギです。
臭いが気になる方は、EVA樹脂やTPUなどの吸水性が低く清潔を保ちやすい素材を選び、適切な洗浄と保管を心がけましょう。
外出先でも安心して使えるよう、携帯用のケアグッズも活用すれば、もっと快適なマウスピースライフが手に入ります。